LP (Stax 706)
Producer: Jim Stewart
実績からいっても、彼女をこの狭いワクに閉じ込めるのに不均合のものを感じる方もいるだろう。
実際、彼女にはオーティスとのデュエット・アルバムも含め、計7枚のLPがある。
そのどれもが悪くはなく、十代の頃の初々しいデビュー作”Gee Whiz” (Atlantic 8057)、「ベイビー」や「レット・ミー・ビー・グッド・トゥ・ユー」がいかしている第3作”Carla Thomas” (Stax 709)、スティーヴ・クロッパーのギターが泣いている「アンチェンジン・ラヴ」を含む”The Queen Alone” (同 718)も捨て難かった。
しかし、サザン・ソウルの層の厚さを考えると、過大評価の気味もあると思い、1枚をあげるにとどめた。
彼女は最初からメンフィスはスタックスの専属アーティストだったが、アトランティックとの契約の関係で、初期の作品はアトランティックから出されている。
そしてようやくスタックスに戻れたところで、66年にこれを出した。
A(1)(2)、B(2)といった軽目のバラードに持味があり、B(6)はやや重荷か。
とにかく、バックの良さもあって好盤である。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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