FREDDIE SCOTT / Are You Lonely For Me?
LP (Shout SH-501)
Producer: Bert Berns
「悲しき終列車」。
67年にR&Bチャートの1位までに上ったこのタイトル曲につけられた邦題がこれである。
いかにも”らしく”ていいじゃないですか。
ちょうど日本に”メンフィス・サウンド”が紹介され始めた頃に、その一環として出された1枚だが、確かにその響きや歌い方にはメンフィス・ソウルに共通する手ざわりがあった。
正確にいうと、これはメンフィスとは何の関係もなく、バート・バーンズが早くから目指していたいわゆる”ニューヨーク・ディープ”の一連の作品のひとつなのだが、この時代のモータウンと対極にあった動きを象徴する1曲となった。
曲も音もA(3)(6),B(3)(6)のようにディープ寄りに展開する。
かといって、これをディープの名盤だよといって手離しにほめる気にはならない。
A(4)、B(2)などベン・E.キング、もっといってトミー・ハントあたりと共通するところがあるし、バラディアーとしての体質が抜け切らないからだ。
それは、コロンビア、63年のヒット「ヘイ・ガール」を含むコルピックス、プローブなどのLPを聞いてみれば一目瞭然である。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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