FUNKADELIC / One Nation Under A Groove
LP (Warner Bros. BSK-3029)
Producer: George Clinton
クリントンの思想を端的に表わしたアルバム・タイトル!
タイトル曲は、その後のPファンクのテーマ曲的なものともなったが、78年に発表されたファンカデリックとしては通算10枚目にあたるこのアルバムは、Pファンク関係のアルバムの中でも代表的な1枚に数えられるものだ。
テンポ自体は軽快だが、乾いた音色のリズム・ギターとシンセ、そしてパーカッション類が絡み合い、何人ものヴォーカルが交錯する、くんずほぐれつのファンク・ナンバーA(1)。
哀愁のあるメロディ・ラインも秀逸だ。
この曲や、ストレートなファンクのB(3)はパーラメント的だが、マイケル・ハンプトンのギターが大活躍するA(3)など、タイトル通りのロックっぽい曲だし、レイ・デイヴィスの低音も冴えるB(2)や、スウィートな歌とかけ声がぐちゃぐちゃに混じるB(1)などもかなりサイケで、ここらがいかにもファンカデリック。
カリブ風味も加えられたA(2)のクールなインプロヴィゼイションも不思議な味だ。
このアルバムには4曲入りEPもおまけでついていたが、それもギターがギンギンの内容だった。
▶Some More from this Artist
ご存知のように、FunkとPsychedelicの二語を合成して出来たのが、Funkadelicというグループ名。
ギター中心のサウンドで、ロック/サイケ色も濃いのが、このグループのコンセプトだった。
ファンカデリック名義のアルバムを以下に。
- “Funkadelic”
- “Free Your Mind And Your Ass Will Follow”
- “Maggot Brain”
- “America Eats Its Young”
- “Cosmic Slop”
- “Standing On The Verge Of Getting It On”
- “Let’s Take It To The Stage”
- “Hardcore Jollies”
- “Tales Of Kidd Funkadelic”
- “Uncle Jam Wants You”
- “The Electric Spanking Of War Babies”
約10年間、1年に1枚のペースで発表してきたわけだが、初期のファンカは、ジミ・ヘンやスライたちの強い影響を受けていた。
①~③や⑤など、かなりシンプルな骨格であり、デトロイト・ソウルと、サイケなロック感覚が合体したという趣も強かった。
かなりヘヴィなサウンドであった。
初期の中心ギタリストはエディ・ヘイゼルで、特に③のタイトル曲のサイケ&ハードな、ブッ飛んだギターは有名だ。
この曲は後に”キッド・ファンカデリック”ことハンプトンにも受け継がれた。
④で、ブーツィ一派が初めて参加。
本格的に加わるのは、⑦以降のアルバムからとなるが、その為か、徐々にストレートなファンク色も濃くなっていった(といっても全体にギター中心でロックっぽいというのは変わらないが)。
ファンカデリックの場合、ロックなんて嫌いじゃ!というソウル・ファンにはお呼びでない(?)アルバムが大半となるだろうが、名曲”Knee Deep”をフィーチャーした⑩や、スライ・ストーンも参加した⑪、ブーツィ初参加の④などは、聴いて損はないと思うが、どうか。
転載:U.S. Black Disk Guide©小出斉
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