youtube musicでU.S. Black Disk Guide音源を探す旅 No.161

音楽

CON FUNK SHUN / Spirit Of Love

LP (Mercury SRM1-3806)

Producer: Skip Scarborough

【A】 (1) Got To Be Enough (2) By Your Side (3) Curtain Call (4) Early Morning Sunshine (5) Spirit Of Love 【B】 (1) Happy Face (2) All Up To You (3) Juicy (4) Honey Wild (5) Lovestruck 1980

サウンド面の陣頭指揮を取っていたフェルトン・パイレットが85年のLP『エレクトリック・レディ』を最後にソロへ独立。

ヴォルトでのレコーディングを経て、現在M.C.ハマーのミュージカル・ディレクターとして繁忙をきわめる毎日で、一方、看板リード・シンガー、マイケル・クーパーも87年にリプリーズと単独契約を交わし、ジェイ・キングとのコラボレートで既に2枚の秀作アルバムをリリースしているのは周知の通り。

半ば両腕をもぎ取られたようなコン・ファンク・シャン(以下CFS)の活動は86年以降停滞を余儀なくされいる訳で、70年代に結成されたファンク・バンドの中でも特に結束が固く、体力のあるユニットだったので、このような状況には寂然たるものがある。

先の2人に加えて、カール・フューラー(tp)、ポール・ハレル(sax)、セドリック・マーティン(b/vo)、ダニー・トーマス(kbd)、ルイス・マッコール(ds)の計7人で結成されたのが72年。

スタックス/ヴォルト・レコードと契約、ツアー・バンドとして活躍した後、フレトーン・レコードに移籍してキャリアを積み、76年にマーキュリーに入社している。

ここで86年までに11枚のアルバムを発表しており、当該作は80年の通算5枚目に当たる名盤。

2枚目から続くスキップ・スカボロウとの共同制作にも脂が乗り切り、CFSならではの魅惑のグルーヴが遂にA(1)で誕生している。

深く刻まれるバス・ドラに反撥するかの如く鮮やかに響くハンド・クラップ、そして弾力性豊かなビートにまとい付く速射砲のようなホーン、そしてマイケル+ファルセット・ヴォイスのセドリックによるツイン・リードと、何とも痛快な味わいだ。

ファンクではA(3),B(1)も良く、定評のあるスローでの好演はB(4),A(2)で堪能できる。

▶Some More from this Artist

  1. “Con Funk Shun”
  2. “Secrets”
  3. “Loveshine”
  4. “Candy”
  5. “Touch”
  6. “7”
  7. “To The Max”
  8. “Fever”
  9. “Electric Lady”
  10. “Burnin’ Love”

①はメンフィス録音。

②は代表作「ファン」の他強力スロー「ティアーズ・イン・マイ・アイズ」が収められている。

④は一際パワフルな内容。「チェイス・ミー」には悶絶。

前述の『スピリット・オブ・ラヴ』で完成されたCFSグルーヴは⑤の「トゥー・タイト」、⑥の「バッド・レディ」に受け継がれる。

好盤⑦収録の「ミス・ガット・ザ・ボディ」はF.カヴォーキアン・リミックス盤にクライマックスがある。

この⑤⑥⑦はCFS自身のプロデュース。

デオダートの手掛けた⑧、モーリス・スターの起用でヒップ・ホップ色を出した⑨、ジャイルズ&オズボーンの手捌きが見事な⑩、どれも逸品。

因みに、クリークの1枚目はCFSのプロデュース、78年にマーキュリーにLPのあるファイア・ワークはマイケルが手掛けたバンドだ。

転載:U.S. Black Disk Guide©細田日出夫

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