amazon music unlimitedでU.S. Black Disk Guide音源を探す旅 No.4

音楽

JAMES BROWN / Please, Please, Please

LP (King 610)

Producer: Ralph Bass

[A] (1) Please, Please, Please (2) Chonnie-On-Chon (3) Hold My Baby’s Hand (4) I Feel That Old Feeling Coming On (5) Just Won’t Do Right (6) Baby Cries Over The Ocean (7) I Don’t Know (8) Tell Me What I Did Wrong [B] (1) Try Me (2) That Dood It (3) Begging, Begging (4) I Walked Alone (5) No, No, No, No (6) That’s When I Lost My Heart (7) Let’s Make It (8) Love Or A Game

ジェイムス・ブラウンといえば、ファンキー・ソウルの王者として有名なわけだが、ファンキー以前のR&Bシンガーとしても、非常に魅力的な存在であることを忘れて欲しくない。

56年にキング傘下のフィデラル・レーベルから「プリーズ・プリーズ・プリーズ」でデビューしたジェイムス・ブラウンは、そのスタートの時点においてさえ、既に実に個性的かつ独創的なシンガーだったのである。

このアルバムは、ジェイムス・ブラウンのデビュー・アルバムで、彼の56~59年の作品を集めたものである。

まず、前記のA(1)のオリジナリティに注目したい。

これはJ.B.のスクリーミング・ヴォーカルの冴えるヘヴィなバラードなわけだが、メロディといい、バックコーラスといい、実にゴスペル臭い。

この曲が56年というドゥーワップ/ロックン・ロールの時代に吹き込まれたとは、にわかには信じ難い。

また、これはシンシナティで吹き込まれたものだが、59年のニューヨーク録音のバラードB(1)になると、作りがズッとスマートになっている。

これもJ.B.を代表するバラードの1曲だが、この曲からはソウル・ミュージックの夜明けさえ感じられる。

結局このB(1)は、彼の初のナンバー・ワン・ヒットとなり、これによりJ.B.は南部から都会へ進出する第1歩を踏み出したのだった。

このアルバムには他にも、A(1)と同系のA(3)、B(8)、ブルージーなA(8)、B(5)(7)、カッコいいジャンプのA(2)(4)など、聴くべきものが多い。

やはりジェイムス・ブラウンの代表アルバムの1枚であることは、間違いない。

16曲も入った大サーヴィス盤である。

▶Some More from this Artist

  1. “Try Me!”
  2. “Think!”
  3. “The Amazing James Brown”
  4. “Night Train”
  5. “Shout And Shimmy”
  6. “Tour The U.S.A.”
  7. “Live At The Apollo”
  8. “Prisoner Of Love”
  9. “Pure Dynamite!”
  10. “Sings Out Of Sight”

この時代には、他にもスマッシュに6枚のアルバムがあるが、内容的には上の10枚。

①②③はデビュー・アルバムの続編的なもので、やはりバラードでの独自の唱法が印象的だ。

④はインスト・アルバムだが、タイトル曲はその後のJ.B.を示唆するジャンプ・ナンバーである。

⑤のタイトル曲もジャンプ曲で、この頃から彼のダンス・チューンに対する意気込みが感じられるようになり、それは⑥の「マッシュト・ポテトズ・USA」、⑧の「サインド・シールド&デリヴァード」へと繋がっていく。

また⑧のタイトル曲は、バラードの名唱として有名だ。

⑦⑨はライヴ・アルバムだが、⑦ではあくまでバラード中心だったのに対し、⑨ではジャンプ・ナンバーがふえ、ファンキー・ソウルに向かって爆発寸前のJ.B.を聴くことができる。

そしてJ.B.は、64年の「アウト・オブ・サイト」(⑩に収録)により、ファンキー・ソウルへの扉を開いたのだった。

転載:U.S. Black Disk Guide©泉山真奈美

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