LP (Caprice SLP-1002)
Producer: Hutch Davie
リトル・ウィリー・ジョンはこの本では取り上げなかったが、彼がそのまま活動を続けていたら、ソウルの歴史にどのような影響を与えただろうと考えることがある。
曲として後世に残っているものは数多いが、アーティストとしてはこれからソウルの歴史を形作ろうという時に、そのアーティスト生命を断たれてしまったのだった。
このジェイムスはジェシ・ジェイムスらと並び、そのウィリー・ジョンの歌い方の影響を色濃く残している1人だ。
ほとんど62年のA(6)1曲でソウルの歴史に名をとどめているにすぎないが、この曲がガーネット・シムズやソロモン・バークらに道を開いたことは十分に評価できる。
それを示唆してか、”サウンド+ソウル=ジェイムス・レイ”という文章がスリーヴに見えるのは興味深い。
LPとしては、スタンダードっぽいものも多いが、A(1)やB(6)のR&B感覚はなかなかいい。
デビュー曲は恐らくリトル・ジミー・レイ名義のギャリアント盤。
他にディープ仕立ての傑作ジャンプ”We Got A Thing Goin On” (Congress 218)もある。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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