amazon music unlimitedでU.S. Black Disk Guide音源を探す旅 No.16

音楽

BARBARA LYNN / You’ll Lose A Good Thing

[A] (1) Second Fiddle Girl (2) Give Me A Break (3) Dina And Petrina (4) Lonely Heartaches (5) You Don’t Sleep At Night (6) I’m Sorry I Met You [B] (1) You’ll Lose A Good Thing (2) Heartbreaking Years (3) Teen Age Blues (4) What I Need Is Love (5) You Don’t Have To Go (6) Letter To Mommy And Daddy

LP (Jamie JLP70-3023)

Producer: Huey P. Meaux

名曲「ユール・ルーズ・ア・グッド・シング」をもつバーバラ・リンも、絶対に忘れえぬ彼女ならではのスタイルを築いた名レデイ・ソウル。

独特の悲しみ一杯のハスキー・ヴォイスと印象的な左ききのギター!

それが62年のヒューイ・モー・プロデュースによるニューオーリンズのコズィモ・スタジオ録音に始まり最新のイチバン盤に至るまでの30年弱のレコーディングのすべてに聞けるのだから、このガイドで半ページのスペースを割りあてているのも当然というところ。

▶Some More from this Artist

  1. “The Barbara Lynn Story” (Sue 949)
  2. “Barbara Lynn” (Good Thing 001)
  3. “Here Is” (Atlantic 8171)
  4. 『エレガント・ソウル』 (ワーナー 8624)
  5. 『ウィ・ガット・ア・グッド・シング・ゴーイング』 (デッド・ボール 2-2506)
  6. “You Don’t Have To Go” (Ichiban 1024)

42年テキサスはボーモントの生れ。

代表作はといえばどうしてもこのデビュー・アルバムか?

言わずもがなのB(1)を筆頭に、ニューオーリンズやスワンプの香りがほのかにただようA(1)(2)、B(6)といったミディアム、そして本当にこれこそがティア・ジャーカーといえるA(4)や(2)など、彼女の魅力が満載。

そしてこのジェイミー時代のアルバム未収録シングルは後に①や②としてリリースされ、入手困難で知られる①では未発表の「ジェラス・ラヴ」やバラードの名作「エブリバディ・ラヴズ・サムバディ」等が、88年リイシューの②ではちょっとブルージーな曲が人気を博した。

しかしまだこのジェイミーには「ローラズ・ウェディング」等の泣かせることうけあいのシングル等がリイシューを待っている状態。

この後彼女はヒューイ・モーのレーベル、トライブから4枚のシングルを発表。

一部が②に、一部がヴァージョン違いや未発表曲も含めて”The Hit-Kickers” (Festival 1012~1039)という3枚組10セット計30枚というヒューイの作品のオムニバス・アルバムに収録されている(ベストは8集に入っているカジノスのカヴァー「ゼン・ユー・キャン・テル・ミー・グッドバイ」)。

続いてやはりヒューイ絡みのジェット・ストリーム、コピー・ライト、スターフライトといったマイナーを経て、67年から73年にはアトランティックに録音、それが③と日本盤のみのベティ・スワンと片面ずつのシングル・コレクションの④。

時代を反映してサザン・ソウル・サウンドに作られてはいるもののバーバラは実に変らない。

特に④の冒頭の2曲(マスル・ショールズ録音)の素晴しさは言うことがない。

この後、彼女は少くともレコードの上ではわずか1~2枚のシングルを出すのみであったが、活動の場をロスに移した80年代初頭、彼女のまだ気合い充分なライヴを見た日本人の好意的なレポートが契機となって再び注目が集り84年の日本公演、⑤の2枚組ライヴ・アルバムのリリースとなった。

出来はもちろんフレンドリー&ナイス。

テキサスのマイナー、ジャム・ストーン盤7インチがイギリスでも小ヒットしたりでついに88年アメリカでは実に20年ぶりのアルバムをリリース。

ブルースがやや多めなものの、いつも通りのバーバラ節のスロー等評判は悪くなかった。

転載:U.S. Black Disk Guide©高沢仁

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