amazon music unlimitedでU.S. Black Disk Guide音源を探す旅 No.34

音楽

THE ARTISTICS / I’m Gonna Miss You

LP (Brunswick BL-754123)

Producer: Carl Davis

[A] (1) Sweeter Than Sugar (2) Glad I Met You (3) There Is No Sadness (4) Love Song (5) Hope We Have (6) I’m Gonna Miss You [B] (1) Girl I Need You (2) I’ll Always Love You (3) It’s Gonna Be Alright (4) Why, Why, Why (5) You’re Wonderful (6) On & On

アーティスティックスは、60年代に活躍したシカゴの中堅ヴォーカル・グループである。

結成されたのは58年で、63年にオーケーに吹き込んだのが初録音である。

66年からはブランズウィックに移り、以後解散する73年までそこに在籍し、シカゴ・ソウルの心を歌い続けている。

ブランズウィック時代には、それほどヒットを飛ばしていたわけでもないが、レコードはコンスタントにリリースしている。

このアルバムはアーティスティックスのブランズウィックでの初めてのアルバム(通算では2枚め)で、A(6)の、彼らの最大のヒット曲「アイム・ゴナ・ミス・ユー」をタイトルとした67年のアルバムである。

プロデュースはカール・デイヴィス、アレンジはサニー・サンダースと、お馴染みのシカゴのスタッフが制作に当たっている。

ちょうどノーザン・ソウルが一番脂が乗っていた時期だけに、時代がこのアルバムに力を与えている。

当然ながら全編ノーザン・ダンサーで固められているが、シカゴらしい風味に溢れ、気持ちよい仕上がりを見せている。

アーティスティックスはメンバーがやや複雑だが、このアルバムで聴けるリードは、トミー・グリーン(A(1)(2)(3)、B(1)(2)(4)(6))、ラリー・ジョンスン(A(4)、B(3)(5))、マーヴィン・スミス(A(5)(6))の3人。

個人的にはマーヴィンのリードが気に入っており、ソウルフルなダンサーのA(5)、ややスロー・ダウンしたA(6)ともに愛聴している。

マーヴィンはソロ・シンガーとしても数枚のシングルを出している。

もちろん他の2人のリードもそれぞれ持ち味を発揮していて、楽しめる。

トミーはこの後グループを離れてしまったようで、彼のリードは以後のアルバムでは聴けない。

▶Some More from this Artist

  1. “Get My Hands On Some Lovin'” (Okeh 12119/14119)
  2. “The Articulate Artistics” (Brunswick 754139)
  3. “What Happened” (同 754153)
  4. “(I Want You To) Make My Life Over” (同 754168)
  5. “Look Out” (同 754195)

制作陣は、どれもほとんど変わっていない。

①はアーティスティックスのデビュー・アルバムで、66年頃のリリース。

これも推薦したいアルバムだ。

主にマーヴィンがリードを取っており、彼のサム・クック的な持ち味が楽しめる。

サウンド面ではモータウンの、コーラス・ワークではインプレッションズの影響がまだ残っているのも興味深い。

②③は68~69年のアルバムだが、ともにマーヴィンのリードを中心としたアルバムだ。

この2枚では、③のB面がやや弱いが、ともに水準以上のアルバムで、彼らのファンなら持っていたいところだろう。

また、③からはシャイ・ライツのユージン・レコードが制作に加わっている。

70年の④では新しいリード、ロバート・ドーバインらの歌が聴ける。

しかし、曲の半数近くが②③で聴けるという怠慢な仕事ぶりは許しません。

この辺りになると作りがかなりモダンになり、以前のようなシカゴらしい味わいがなくなってしまっているのも残念だ。

⑤は72年のアルバムで、昔のアーティスティックスらしさはすっかり消え、ほとんど別グループという感じだ。

新しいリードたちはみな歌が軽く、僕にはやや不満。

これでは解散したのも仕方ないか、などと思ってしまう。

転載:U.S. Black Disk Guide©石黒恵

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