LP (Cadet LPS-804)
Producer: Bobby Miller
ソウル時代のデルズに限定するなら、ヴィー・ジェイ後期以降ということになろう。
ドゥー・ワップのテクニックや精神を持ち込すグループといわれるが、マーヴィン・ジュニアとファルセットのジョニー・カーターが際立つようになってから、多くのグループに影響を与える”ソウル”スタイルを確立したことは確かだった。60年代を代表するものとしては他に”Always Together” (同 822)があげられるくらいだが、1枚単位のものとして一番充実しているのはこの『ゼア・イズ』を置いて他にない。
中にはデルズは70年代に入ってますます充実してくるという人もおり、ぼくもそれには同意するのだが、いやこちらのストレートさの方がいいよと言う人も結構いるだろう。
それくらい内容は充実しており、彼らの代表作の1枚として躊躇なく推薦したい。
LP構成はアップとスローが順に並ぶものだが、アップのA(1)、スローのA(2)を筆頭として傑作曲がずらり。
後年、あまりジャンプ・ナンバーをやらなくなったので、その意味でも貴重なアルバムといえそうだ。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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