DARRELL BANKS / Darrell Banks Is Here!
LP (Arce SD-33-216)
Producer: Don Davis
60年代のデトロイトはモータウン・サウンド一色だったわけではない。
おおむねモータウンの影響下にありながらも、無数のマイナー・レーベルが乱立し、魅力あるプロデューサーやアーティストも少なくなかった。
レヴィロットに録音していたこのダレルもその1人で、デトロイトの乗りを十分に感じさせながらも、歌い方は明らかにサザン・ソウルに近いものが彼にはあった。
そのデビュー曲にして、大ヒットしたのが66年のB(1)。
カヴァーされることの多い名作中の名作だ。
B(3)はその続編のような曲で、この辺には60年代のデトロイト・サウンドの充実ぶりが感じられることだろう。
スローはA(1)(3)とデレック・マーティンのB(5)があるが、ディープなA(3)あたりは十分に味わい深い。
また、ジョージ・クリントンの作品がA(5)にあるのも、Pファンク・ファンには興味深いところだろう。
彼は70年に殺され、LPは他に”Here To Stay”(Volt 6002)があるだけだが、こちらも充実した内容で、ある意味で質はこちらより上かもしれない。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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