LP (Deluxe DLP-12002)
Producer: Bill “Hoss” Allen
アール・ゲインズはこのガイドで取り上げるべきかどうか、いわばその境界線上にあるアーティストだ。
普通、ブルース/R&Bアーティストとして呼びならわされているからで、事実ナッシュヴィルのボビー・ブランド的な性格が強いシンガーだった。
だが、60年代中後期にはオーティスの死を慎む歌 “We’re Gonna Miss You, Otis” (Hollywood 1123) を歌ったり、キング牧師に捧げた “Our Friend Is Gone” (同 1128) を歌うなど、サザン・ソウルと連帯している感があった。
これはそのハリウッドからデラックスにかけての時代の作品を集めたもので、A(1)からサザン・ソウル・ムードが一杯である。
それは他にA(3)(4)とあるにすぎないが、こうしたブランド・タイプのシンガーが歌うバラードというのもいいものだ。
他は主にブルース/R&Bの名曲が並ぶ。
このアールはキャリアが古く、ルイ・ブルックス・コンボのリード・シンガーとしてエクセロから「イッツ・ラヴ・ベイビー」(A(6)が同じ曲)のヒットを既に55年にはなっているが、LPはHBRが最初。
他にLPは2枚。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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