THE FANTASTIC JOHNNY C / Boogaloo Down Broadway
LP (Phil L. A. Of Soul SPLP-4000)
Producer: Jesse James
サルサ界でブーガルーが話題になった時、よく引き合いに出されたのが「ブーガルー・ダウン・ブロードウェイ」という曲。
つまり、ラテンのブーガルーがソウル界に伝わっていってこの曲になった云々というわけだが、本当はそれは間違っている。
”ブーガルー”という音楽および踊りは既に60年代初期からソウル界にはあり、この曲は”ブロードウェイ”という新種の音楽/踊りなのだ。
それはともかく、これはフィラデルフィア産とは思えないほど、粘っこいダンス・ビートを披露する67年の忘れ難きヒット曲だ。
このLPの主、ザ・ファンタスティック・ジョニーCは当然芸名で、ジョニー・コーレイという立派な名を持つ。
フィラデルフィアを拠点とはしていたが、むしろ南部寄りのシンガーと考えた方がいいだろう。
ダンス・ナンバーにいい乗りを見せ、A面では単なるカヴァーではない実力を見せる。
B(1)(5)などのオリジナルになると、そのノリはさらに加速する。
その一方で、バラードもなかなかで、B(2)は力作バラードとしてしられるものだ。
フィラデルフィア産ディープの傑作LP。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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