LP (Loma LS-5907)
Producer: George Kerr
さらに円熟味を増したというなら、当然70年代のターボ時代だろう。
原盤の”Your Precious Love” (Turbo 7007) などから編集された日本盤(Pヴァイン PLP-6526) もあることだし。
しかし、他人の曲の解釈に非凡なところを見せたその時代より、オリジナルを含む60年代こそをまずベーシックなものとして聞いていたい。
A(1)は先にも後にも彼女の一番のヒット曲、そう代名詞のような曲だ。
この頃から、しつこいような歌い方は彼女の持味だった。
確かに、ゴスペルから来たということを思わせるディープな部分はあるのだが、ジョージ・カーがやってるせいか、当時のニューヨーク・ディープなどとはどこか違う。
スウィートな道を切り開いていくべく開拓者のような趣きがあるのだ。
A(3)(5)、B(1)(5)など67年頃のバラードにそれなりの良さを見る。
リンダはニュー・ジャージー出身で、ジョージに可愛がられた女性だが、72年に死亡している関係で、作品自体はそう多くない。
稀有のシンガーとは思わないけど、捨て難い味のあるシンガーであることは確かだった。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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