LP (Rhino R2-71043-2)
Producer: Jerry Goldstein
”エリック・バードン&ザ・ウォー”としてスタートし、2枚のLPを残した後、リード・ヴォーカルのバードンが脱退。
グループが7人組のヴォーカル&インストゥルメンタル・グループのウォーとして、再出発したのが71年のこと。
そして、バードンが脱けたことが、むしろ功を奏して、ウォーは70年代前半を代表するグループとして、大成功を収めたと言ってもいいだろう。
このアルバムは、彼らが単体のウォーとなってからの3枚目のアルバムで、72年に発表したもの。
そして見事にゴールド・アルバムとなっている。
アルバム・タイトル曲は、シングル・カットされ、A(1)と共にゴールド・ディスクに輝いているが、歌詞の内容は、これに代表される様にメッセージ性、ストリート性の強いものも多かった。
また、グループとしてはヴォーカル・パート以上にインスト/インプロヴィゼーション・パートに重きを置いていたが、ファンクを基調にしながらも、ジャズ、ロック、ラテン等も要素を強く持った多様な音楽性を持ち、更にこの種のグループとしては珍しく、ハープ(リー・オスカー)をフィーチャーすることで全く独特のサウンドを作っていた。
このアルバムでも、前述の2曲の他、ロックとゴスペル風味が混ざったA(2)、ソフトなフュージョンぽさまであるインストA(3)、スロー・テンポで、ある種ファンカデリックにも通じる趣のB(1)、カリブ的なB(3)と聴き飽きない。
ロックっぽい、あるいは他の要素が強すぎるといったことで、ウォーを敬遠するソウル・ファンも多いかと思うが、70年代中期ぐらいまでの彼らの充実ぶりは素晴らしく、実にパワフルなものだ。
それはストリート性の表れといってもいいのではないかと思う。
このアルバム以外では、70年代中期までの以下のものを薦めたい。
- “All Day Music” (UA 5546)
- “Deliver The World” (同 128)
- “Live” (同 193)
- “Why Can’t We Be Friends” (同 441)
ややストレートで、楽曲もいまいちという趣だったファースト・アルバム”War” (UA 5508)から、ぐんと豊かな音楽性を展開してみせたのが、71年発表のセカンド・アルバム①。
タイトル曲はメロウそのもので、ああウエスト・コーストのグループだなあ、とも思うが、大ヒットした「スリッピン・イントゥ・ダークネス」のクールなファンクネスは凄いものがある。
②③④はそれぞれ73,74,75年のアルバム。
②は、ファンキーなダンス・ナンバー「ミー・アンド・ベイビー・ブラザー」や、これもヒットした「ジプシー・マン」、そしてシヴィアな「サザン・パート・オブ・テキサス」などの名曲が揃っている代表的1枚。
③は、2枚組のライヴで、ライヴ・バンドとしてのウォーの力を余すところなく捉えた、超強力なもの。
そして、④では、初めてレゲエ・ビートを取り入れた(タイトル曲)。
また、全体にラテン/カリブ色の強いアルバムだ。
尚、以上4枚全てゴールド・ディスクである。
78年にMCAに移籍して発表した”Galaxy” “PLatinum Jazz”等も悪くないが、まずこれらのアルバムを聴くべきだろう。
ベスト盤としてはCDで”The Best Of War And More”(LAX 001)がある。
転載:U.S. Black Disk Guide©小出斎
say-G’z補足
アルバムリスト
- War
- All Day Music
- The World Is A Ghetto
- War Live
- Deliver The Word
- Why Can’t We Be Friends?
- Platinum Jazz
- Galaxy
- Youngblood (Original Motion Picture Soundtrack)
- The Music Band
- The Music Band 2
- The Music Band Live
- Outlaw
- The Music Band Jazz
- Life (Is So Strange)
- Where There’s Smoke
- On Fire
- War Live
- Peace Sign
- The Other Side Of War Warms Your Heart
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