THE JACKSON 5 / Dianna Ross Presents The Jackson 5
LP (Motown MS-700)
Producer: Bobby Taylor
ファルコンズのギタリストだった父親の発案に拠り、66年に結成されたインディアナ州ゲイリー出身の兄弟グループ。
モータウンと契約する前年(68年)、インディ・レーベルのStreetownからシングル”You’ve Changed”(本アルバムのA(6))をリリースしている。
アルバム・タイトルが示す通り、彼らはダイアナ・ロスに発掘されたと言われているが、実はグラディス・ナイトと、ザ・ヴァンクーヴァーズのボビー・テイラー(本作のプロデューサーのひとり)が真の発掘者であることが後に判明した。
それはともかく、デビュー当初のJ5の人気は凄まじく、デビュー曲A(3)から、”ABC”、”The Love You Save”、”I’ll Be There”と、立て続けに全米No.1ヒットを4曲も放ってしまったのである。
彼らの人気はリード・ヴォーカルのマイケルに集中していたが、同じくファミリー・グループのオズモンズの好敵手でもあった。
グループ活動とは別に、マイケル、ジャーメイン、ジャッキーがそれぞれソロ・アルバムをリリースするなど、モータウン側のJ5に対する力の入れようが窺い知れる。
▶Some More from this Artist
①”ABC” (Motown 709)
②”Third Album” (同 718)
③”Maybe Tomorrow” (同 735)
④”Original TV Soundtrack Goin’ Back To Indiana” (同 742)
⑤”Lookin’ Thorugh The Windows” (同 750)
⑥”Skywriter” (同 761)
⑦”Get IT Together” (同 783)
⑧”Dancing Machine” (同 780)
⑨”Moving Violation” (同 829)
⑩”Joyful Jukebox Music” (同 865)
⑪”The Jacksons” (Epic 34229)
⑫”Goin’ Places” (同 34835)
⑬”Destiny” (同 35552)
⑭”Triumph” (同 36424)
⑮”Live” (同 37545)
⑯”Victory” (同 38946)
J5の(と言うよりも幼少時代のマイケル)の素晴らしさは、例えば本アルバムに収録されているミラクルズのカヴァーB(2)、同じくテンプテーションズのB(4)などに見られる物おじしない歌いっぷりだ。
スライのB(5)にしても、ハツラツとしたヴォーカルながら、マイケルの堂に入った唱法は大人顔負けである。
J5の子供らしさが最も色濃く表れたアルバムは、むしろ”Christmas Album”(Motown 713 / 70年)だろう。
モータウンには69~76年まで在籍し、ジャーメイン(ベリー・ゴーディjr.の娘と結婚するが後に離婚)だけが当時モータウンに残った。
⑪~⑯は全てザ・ジャクスンズ名義のアルバムで、”Enjoy Yourself”(76年)、”Shake Your Body (Down To The Ground)”(78年)などのヒット曲も生んだが、声が薄くなってしまったマイケルにJ5時代の魅力はない。
また、未だにザ・ボーイズを始めとするJ5フォロワーが跡を絶たない。
転載:U.S. Black Disk Guide©泉山真奈美
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