LP (Okeh OKM-12115)
Producer: Carl Davis
ビリー・バトラーは兄にかのジェリー・バトラーをもつシカゴアン。
彼の代表作を挙げるのにこのオーケー盤にすべきか後述するプライド盤にすべきか、共にそれぞれの時代のもつ良さが充分発揮されたアルバムで大いに迷ってしまったが、60年代のソウルのコーナーなので一応前者を挙げた。
このアルバムはオーケーのカール・デイビスがらみの他のアーティスト、たとえばメイジャー・ランスとかアーティスティックスと同様の、チェスやワンダフルといった泥臭いサウンドでない都会的なシカゴ・ソウル(カーティス・メイフィールドの影響をうけたと言いかえても良い)が楽しめる内容。
その後の2枚のアルバムでは72年の”Hung Up On You (Billy Butler & Infinity)” (Pride 0013) と77年の”Sugar Candy Lady” (Curtom 5015) があるが、その甘く・せつなく・やるせない胸キュンのバラードの出来の良さで圧倒的に前者が素晴しい。
持ってなきゃハジと言ってもいい程。
後者も悪くないのだが、ディスコ色がやや濃く歌の密度がやや希薄なのが残念。
転載:U.S. Black Disk Guide©高沢仁
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