amazon music unlimitedでU.S. Black Disk Guide音源を探す旅 No.44

音楽

THE SUPREMES / Where Did Our Love Go

LP (Motown 621)

Producer: Holland, Dozier, Holland

[A] (1) Where Did Our Love Go (2) Run, Run, Run (3) Baby Love (4) When The Lovelight Starts Shining Through His Eyes (5) Come See About Me (6) Long Gone Lover [B] (1) I’m Giving You Your Freedom (2) A Breath Taking Guy (3) He Means The World To Me (4) Standing At The Crossroads Of Love (5) Your Kiss Of Fire (6) Ask Any Girl

マーサ・リーヴスと違って”役立たずの秘書”だったダイアナ・ロス(ハイスクール時代、夏休みを利用してモータウンでアルバイトをしていた)を中心に結成されたシュプリームスは、59年に結成されたザ・プライメッツがその前身で、その当時は4人編成だった。

シュプリームスのオリジナル・メンバーはダイアナ、フローレンス・バラード(76年死去)、メアリー・ウィルスンの3人。

モータウンに最も多くのヒット曲を残したガール・グループで、アメリカに”ビートルズ旋風”が吹き荒れた60年代。

彼らに対抗出来た唯一のアーティストがシュプリームスだったと言われている。

ハイスクールの卒業とほぼ同時に、シュプリームスは60年にモータウンと契約。

翌年、モータウン傘下のタムラから”I Want A Guy / Never Again”でレコード・デビューを果たすが、ベリー・ゴーディ,Jr.の期待とは裏腹に、全くヒットせず。

彼女たちの初ヒット曲は、デビューから1年後の”Let Me Go The Right Way”だった。

そして、本アルバムに収録されているA(4)(邦題「恋のキラキラ星」)とA(2)が小ヒットした後、A(1)(邦題「愛はどこへ行ったの」)の大ヒット(R&BチャートNo.1 / 64年)をきっかけに、シュプリームスはスター街道を歩むことになる。

そういった意味でも、本アルバムは彼女たちにとっての記念碑的作品と言えるだろう。

本アルバムに収められているヒット曲(A(1)~(5))はいずれもホーランド=ドジャー=ホーランドの作品。

A(5)はシュプリームスにとっては初の全米No.1ソングで、同曲以降、彼女たちの人気は飛ぶ鳥を落とす如くの凄まじさだった。

65年から69年にかけての約5年間に放った全米No.1ヒットは何と全10曲。

しかも、A(5)から”Refrections”(67年)までの全シングルが全米トップ20ヒットなのだから、当時の人気ぶりは想像を絶するものだ。

彼女たちの魅力は、何と言ってもダイアナのキンキラ・ヴォイスだが、控え目なフローレンス&メアリーのバック・コーラスも充分に花を添えている。

ダイアナとフローレンスの確執が原因でフローレンスがグループを去った67年、ブルーベルズのメンバーだったシンディ・バードソングが新メンバーとして迎え入れられた。

▶Some More from this Artist

  1. “Meet The Supremes” (Motown 606)
  2. “A Bit Of Liverpool” (同 623)
  3. “We Remember Sam Cooke” (同 629)
  4. “The Supremes At The Copa” (同 636)
  5. “I Hear A Symphony” (同 643)
  6. “A’ Go-Go” (同 649)
  7. “The Supremes Sing Holland-Dozier-Holland” (同 650)
  8. “The Supremes Sing Rodgers & Hart” (同 659)
  9. “Reflections” (同 665)
  10. “Love Child” (同 670)

②③は明らかに白人マーケットを狙ったもので、聴くには及ばない作品。

69年にダイアナがソロ転向を計った後にジーン・テレルが新加入して再起を賭けたが、60年代を駆け抜けたシュプリームス狂想曲は2度と響くことはなかった。

転載:U.S. Black Disk Guide©泉山真奈美

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