THE MONITORS / Greetings!… We’re The Monitors
LP (SOUL 714)
Producer: Hervey Fuqua, Johnny Bristol
ノスタルジックなドゥー・ワップ・メロディに乗って、哀愁を秘めたテナーが歌い掛けるB(1)には思わず涙せずにはいられない筈。
後にテンプスに加入するリチャード・ストリートが在籍した、男性3人、女性1人から成るグループ、モニターズの68年作。
彼らにとって唯一のアルバムである。
B(1)がやはり飛び抜けて素晴らしいが、これはいわば異色作。
基本的にはミディアムからアップのノーザン・ソウル調で乗せる典型的モータウン・スタイルを持ち味とする。
もっとも、一流どころに比較すると力量面での問題、この時代にしては幾分古さは免れぬ感覚の所為か、個性を際立たせるまでには至っていない。
が、ここは、彼らならではのR&B感覚とモータウン・フレイヴァーの渋目のブレンドを楽しむのが筋であろう。
ポール・ウィリアムスの名唱をカヴァーしたA(4)、シングル・カットされたB(4)でのリードとコーラスの絡みからも窺われる小型テンプス的ムードも、すでに明らかなリチャード・ストリートの色男ぶりと相まって悪くはない。
二流ながらも心に残るR&Bアルバムとの趣が美しい。
転載:U.S. Black Disk Guide©平野孝則
コメント