THE MAD LADS / The Mad, Mad, Mad, Mad, Mad, Lads
LP (Volt VOS-6005)
Producer: Al Jackson
スタックスには60年代にマッド・ラッズとアスターズという2大グループがいた。
だが、やはりサザン・ソウルとして分類するのは苦しく、そのセンスは都会的である。
彼らの場合も、リードのジョン・ゲイリー・ウィリアムスは、何か大人になり切れないような舌っ足らずの歌い方をし、そのムードを助長していた。
普通なら、彼らの特徴がよく出た「ドント・ハヴ・トゥ・ショップ・アラウンド」「アイ・ウォント・サムワン」などのヒットを含むデビューLP (同 414) を代表LPとしたいところだが、グループとしてより充実してきた69年のこちらの方が上だろう。
なにしろA(6)が入っているんで。
なに、ポピュラー・ソングじゃないかって? とにかくアレンジがカッコいいのですよ。
特に、最後のホーンとアル・ジャクスンのドラミングのすばらしさなんて、サザン・ソウル・ファンには泣けてくるほど。
A(1)やA(5)、さらにジャンプ・ナンバーのB(3)ではバリトンのウィリアム・ブラウンも頑張って、コーラスのうま味も出てきた。
もう1枚あるLPやジョン・ゲイリーのソロLPは今イチだ。
転載:U.S. Black Disk Guide©鈴木啓志
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