youtube musicでU.S. Black Disk Guide音源を探す旅 No.141

音楽

GRAHAM CENTRAL STATION / Graham Central Station

LP (Warner Bros. BS-2763)

Producer: Larry Graham, Russ Titeiman

【A】(1) We’ve Been Waiting (2) It Ain’t No Fun To Me (3) Hair (4) We Be’s Gettin’ Down (5) Tell Me What It Is 【B】(1) Can You Handle It? (2) People (3) Why? (4) Ghetto

1968~73年までの6年間、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのベーシストとして活躍した活躍したラリー・グラハム率いる強力ファンク・モブがこのGCS。

ベイ・エリアで74年に旗上げしており、これは同年にリリースされたデビュー・アルバムである。

スライ&ザ・ファミリー・ストーン時代に培ったファンク・スピリットを基本に、ロックへの果敢なアプローチ、先鋭テクノロジーの意欲的な導入等を敢行。

下半身直撃必至の個性豊かなファンク・スタイルを確立した重要作でもある。

フレデリック・ナイトの「アイヴ・ビーン・ロンリー・フォー・ソー・ロング」をモチーフにしたドゥー・ワップス・プロローグと、幕明けはチャーミングながら、続くA(2)で一挙に吹きあがりを示す。

ラリー・グラハムのファンク・マスターぶりが如実に表れた超強力チューンである。

創始者としての貫禄が充分の大胆不敵なラリーのチョッパー・ベース、ワイルドなヴォーカル、そして戦闘的なリズム・セクションに始まり、それら各エレメントの暴走を制御するかのごとく意図的に組み込まれるファンク・ボックスのクールなビートの刻みに至るまで、まさに非の打ち所がない程だ。

この曲はアル・グリーンがオリジネーターだが原曲のカラーは全くと言って良い程残っていないので、念のため。

そのファンク・ボックスがリズムのメインになっているのがA(5)。

ゲスト・ヴォーカリストにタワー・オブ・パワーのレニー・ウイリアムスが迎えられ、より一層パワー・アップしている。

クールなビートとレニーの情感豊かなヴォーカルのアンサンブルは絶品だ。

GCSのもう一つの看板とも言える♀ヴォーカリスト、パトリース・バンクスがリードを取ったB(3)の出来も仲々だ。

▶Some More from this Artist

  1. “Release Yourself”
  2. “Ain’t No ‘Bout-A-Doubt It”
  3. “Mirror”
  4. “Now Do U Wanta Dance”
  5. “My Radio Sure Sounds Good To Me”

デビュー・アルバムと①~③の初期4枚はワーナー・パイオニアよりCDで復刻されたので求め易くなった。

①(74年)はタイトル・トラックのカッコ良さに尽きる。

タワー・オブ・パワーのホーン・セクションをフィーチャーした激烈ファンク。

75年発表の②も傑作で「イッツ・オールライト」「ウォーター」「ザ・ジャム」といった斬新なスタイルのファンク・チューンが目白押し。

サウンドの多角化を狙った③(76年)は若干、冗長な印象を受けるが、従来のパターンを踏襲した「アントロー(Entrow)」は強力。

南部臭いソウルフルなミディアム・ナンバー「ラヴ」なんていう嬉しい異色作も収録されている。

④は77年のリリース。

ファンク・アルバムとしての内容の充実度は、このアルバムがNo.1かもしれない。

ラリーがヴォコーダーを終始駆使する超ド級のヘヴィ・ファンクのタイトル・チューンを筆頭に「ラスト・トレイン」「アースクウェイク」「クレイジー・チキン」と名作が並ぶ。

チョッパー・ベースが乱舞する「パウ」を含む78年の⑤を最後にラリーは栄光のソロへの歩みを始めた。

転載:U.S. Black Disk Guide©細田日出男

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