youtube musicでU.S. Black Disk Guide音源を探す旅 No.147

音楽

JB’S / Food For Thought

LP (People PE-5601)

Producer: James Brown

【A】(1) Pass The Peas (2) Gimme Some More (3) To My Brother (4) Wine Spot (5) Hot Pants Road 【B】 (1) The Grunt (2) Blessed Blackness (3) Escape-ism (Part 1) (4) Escape-ism (Part 2) (5) Theme From King Heroin (6) These Are The JB’s

60年代末から70年代初頭にかけて、「マザー・ポップコーン」「セックス・マシーン」「スーパー・バッド」等の強烈なファンクを生み出したジェイムス・ブラウン。

それを文字通り、バックで支えた連中が、ファンクの曙の勢いに乗じて、御大との活動と並行して活動(レコーディング)した70年代。その名はJBズ---単純なようでいて、大将を支えるのは俺達だ、という気概も感じられるような名ではないですか。

これはJ.B.の主宰したピープル・レーベルから72年に出された、JBズのファースト・アルバムで、70~72年のシングルを集めたもの。

JBズといっても、御大自らプロデュース、アレンジ、時には歌やオルガンまで参加する場合もあるのがJ.B.らしく面白いところではある。

この時期、メイシオやジミー・ノーランはグループを離れていたが、リーダーたるフレッド・ウェズリーを中心に、J.B.が集めた精鋭達が得意のファンク・サウンドを展開している。

ジャズ・タッチのB(1) 、映画音楽的な(?)気楽なA(4)などもあるが、71年のヒット(R&Bチャート11位)A(1)、翌年のヒットA(2)などは、ヴォーカルなしでも充分黒い、J.B.ファンク・サウンドとなっている。

これらは気持ち軽めの演奏だが、J.B.の声もたっぷり聴けるB(2)、そして録音が一番古いキングへの録音となる、ブーツィを中心としたオリジナルJBズでのA(6)、B(4)はなかなかにヘヴィ。

特にA(6)のとぐろを巻くようなビートの強烈さは、さすがブーツィである。

▶Some More from this Artist

  1. “Doing It To Death”
  2. “Damn Right I Am Somebody”
  3. “Breaking Bread”
  4. “Hustle With Speed”
  5. “Disco Fever”
  6. “Groove Machine”

JBズでは他に以上の6枚のアルバムがあるが、ピープル原盤の①~⑤は、PヴァインでCD化されている。

それぞれ、PCD1312、1313、1314、1300、1319という番号。

なお、④のCDは、オリジナルとは多少違うので注意を。

JBズでのレコーディングは、実験的というよりも、ライヴでのジャム演奏に近い、軽くリラックスした面が強く出ており、J.B.自身の緊迫感溢れる録音とは趣を異にしており、自然と評価も分れるとこだろうが、本アルバムや、ピープルでの①~④などそれぞれに聴きどころがあり、どれも捨て難い。

本作と並んで評判の高い①は、ジャズ的な要素も方々に出て、ジャム的な楽しみが多い。

②では、ブラック・パワーの勢いを感じさせるメッセージ性があるが、攻撃的な印象が残る。

③も同様のメッセージがあるが、曲間にフレッド・ウェズリーの語りがあり、よりコンセプチュアルな出来である。

この③は、ギター・リフ等のルーズさも気持ちいいが、かけ声、ラップ的なヴォーカル・パートが多く興味深い。

75年、ディスコ時代に立ち向かって作られた⑤は、アレンジ、オーケストレーションが見事だ。

この他、JBズだけでなくメイシオやスウィート・チャールズらのシングルを集めた日本編集のCD『フード・フォー・ファンク』(Pヴァイン PCD-1315) も必聴だ。

転載:U.S. Black Disk Guide©小出斉

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