BRASS CONSTRUCTION / Renegades
LP (Capitol St-12327)
Producer : Randy Muller

BTエクスプレスの生みの親でもある敏腕プロデューサー、ジェフ・レインとの共同作業は、75年の『6』まで続いている。
勿論、この期間に残された数多くの傑作、例えばデビュー・ヒットの「ムーヴィン」や彼等の地位を不動のものにした76年の「ハ・チャ・チャ」等を置き去りにしてしまうつもりはないのだが、彼等に本当の凄みが出てきたのは、ジェフの許を離れバンド・リーダーのランディ・ミューラーが全てを取り仕切るようになった82年の『アティテュード』からであろう。
束縛を解かれることによって浮かび上がってきたのは、79年から携わっていたスカイのプロジェクトで確立したスタイルを基本とする実におおらかな音作りで、バンド結成以来変動の全くない、彼を取り巻くメンバー8名の連帯意識から生れた芸術的なアンサンブルがそれに拍車をかけた。
続く83年の『カンヴァセイションズ』でいよいよ磨きがかかった彼等のサウンドは、当該アルバムで一つの完成型を示すに至っている。
ヒット・チャートにおける大活躍こそなかったものの、この推進力に優れた攻撃的なサウンドはエキセントリックと言う他あるまい。
その典型がA(1)(4)、B(1)(2)。
中でも殊の外パワフルな作りなのがA(1)だ。
楽曲を構成する全ての要素が一丸となって邁進してゆく豪放磊落なダンス・ナンバーだ。
ひたすらがむしゃらである。
スペシャル・ミックスと銘打たれた12インチ(V-8618)には、仰々しい仕掛けがふんだんに施されており、一層刺激的な内容になっている。
これは必聴の1枚だ。
デジタル時代に反旗を翻すかの如く駆使されるラリー・ペイトンの手によるドラミング、84年作ということを踏まえた上で、この点にも是非着目して欲しい。
反響効果の高いハンド・クラップを伴う激しいビートに、キャッチーなメロディーが被さるファースト・シングルのA(2)も衝撃度は大きい。
ハッシュ系の音を吸収したアーバン感覚のA(3)、B(3)では彼等のスマートな側面を垣間見ることができて興味深い。
▶Some More from this Artist
- 1. “Brass Construction”
- 2. “Brass Construction II”
- 3. “Brass Construction III”
- 4. “Brass Construction IV”
- 5. “Brass Construction 5”
- 6. “Brass Construction 6”
- 7. “Attitudes”
- 8. “Conversations”
- 9. “Renegades”
- 10. “Conquest”
初期はインスト中心の制作だが、先述の代表曲の他、①には「トーキン」、②には「ゲット・トゥ・ザ・ポイント」の秀作が収められている。
ジェフ・レインとの仕事の充実ぶりは③④⑤の3枚に顕著で、ノリの良い泥臭いファンク・サウンドが目一杯詰まっている。
「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ」収録の⑥も好作。
「キャン・ユー・シー・ザ・ライト」1曲で買いは⑦。
⑧も粒が揃っていて、⑨と甲乙つけ難い内容を誇っている。
リサ・フィッシャーをゲストに迎えソウル・アルバムとしても質の高い⑩もマストといえる1枚である。
転載:U.S. Black Disk Guide©細田日出夫
コメント