COMMODORES / Caught In The Act
LP (Motown M6-820S1)
Producer: James Carmichael, Commodores

”コモドアーズ”のバラード路線は、78年の「永遠の人へ捧げる歌(”Three Times A Lady”)」から始まった訳では決してない。
その伏線として77年の「イージー」、76年の「よりそう二人(”Just To Be Close To You”)」そして75年の「スウィート・ラヴ」があり、74年のこのアルバムにも初期の名作と評判の高いA(5)が収録されている。
「永遠の人へ捧げる歌」の制作がコモドアーズの一つの変換点として捉えがちなのは、この曲が売れに売れた(78年6月17日付ビルボード・ポップ・チャートでNo.1を記録)結果。
コモドアーズのバラード・マナーというものが広く一般に浸透し、”バラード・マスターのコモドアーズ”という認識がこの時点でようやく芽生えたからに他ならない。
本当は単なる通過点の筈なんだけどね。
今まで述べてきた通り、バンド結成当時からバラードの制作には一家言をもち、「永遠の人へ捧げる歌」の大ヒットで一つの結実をみたコモドアーズだが、お家芸のはずのファンク・チューンはバラードが充実してゆくのと反比例してどんどん黒光りを失ってゆく。
78年の2枚組ライヴに収められていた「あの娘が標的(”Too Hot To Trot”)」までは良かったが、それ以降は実に軟弱。
軽すぎる。
彼らのファンクに対するセンスの鋭さは、このセカンド・アルバムに最も顕著に表れている。
A(1)(2)(3)(4)と怒涛のファンク・ナンバーが4連発。
特にA(2)の破壊力は圧倒的で、普段は余り云々されないが、バンド・メンバーのテクニックがどれだけ卓越しているかを知るにも恰好の1曲と言えそうだ。
一糸乱れぬリズム・セクションの精緻度はスゴイ。
勿論、ライオネル・リッチーのヴォーカルもナイス。
A(3)はデビュー・アルバムに収められていた曲の再録ヴァージョン。
出来もこちらの方が良い。
「マシンガン」パート2的な作りのA(4)も、インストゥルメンタルながら、充分に刺激的だ。
B(3)もファンクだが、これは難解な作り。
B(1)にはオーソドックスなジャンプ・ナンバーがあり、結構聞かせる。
A(5)は繰り返しになるが、完成度の高いスロー・バラード。
実にいい曲だ。
B(4)もスローで、こちらのしっとりとした味わいも何とも言えない。
▶Some More from this Artist
1.”Machine Gun”
2.”Commodores”
3.”Natural High”
4.”Midnight Magic”
5.”In The Pocket”
6.”13″
7.”Nightshift”
①は74年のデビュー作。
傑作ファンク「サンクティファイド」「マシンガン」を収録。
通算5枚目にあたる②は「ブリック・ハウス」でキマリ。
スローは「イージー」の他、「ズーム」もナイス。
77年作。
③は、「永遠の人へ捧げる歌」をフィーチャーしたベスト・セラー盤。
④には「スティル」「セイル・オン」の2大名作。
81年リリースの⑤を最後にライオネル・リッチーはソロへ転向。
彼抜きのアルバムが⑥.
新ヴォーカリスト、J.D.ニコラス(元ヒートウェイヴ)を迎えた⑦、これは好作。
転載:U.S. Black Disk Guide©細田日出夫
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